介護破産する人の共通点(4)

コラム
親に介護が必要になったときの希望を聞いていなければ、いざ、介護に直面するとバタバタと目の前の用事に追われます。
介護認定の手続きやケアマネジャーの選定、ケアプランの作成などで疲弊してしまい、介護費用にまで気を配ることが難しくなります。
  
介護が発生すると「待ったなし」ですので、親が元気なうちに、「介護が必要になった時は、どうして欲しいのか」を聞き取ることが重要なのです。
事前に親と意思の疎通ができていれば、いろいろな対策を講じられますし、やらなければいけないことがはっきりするため、時間や費用の無駄も生じません。
  
住み慣れた家で最期まで過ごしたいのか、子供に迷惑かけずに安心して過ごすために施設に入りたいのか、住む場所はどこであれ、配偶者とずっと一緒に居たいのか、それがわかっているだけでも、介護についての方向性が決められます。
もちろん、それ以前に、介護費用の算定や親の収入・資産状況を確認しておくことも重要です。
  
親が認知症と診断されてしまった後では、資産に係ることを手続きしようにも困難です。
「施設には入りたくないと言っていたような気がする・・」程度の思い込みで、「家族が在宅介護するしかない」と考えてしまい、働きながら介護を続けたり、場合によっては介護離職をしてまで、介護を引き受けている人もいます。
  
親の介護を引き受けようとする気持ちは尊いものの、介護者が精神面・肉体面で疲弊し、体調を崩すこともよくあります。
親が亡くなった時点からは老後資金を貯められず、介護が終わった子供が老後破産に陥るケースも少なくありません。
  
子供にこうした負担をかけることを、親が望むとは思えません。
そのため、親が高齢者の場合は、介護が必要になった時は、どのように介護を受けたいのかきちんと確認する必要があります。
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